2004年 11月 15日
身近な触媒反応 |
今日、新しいコンタクトケア用品を買ってみた。
チバビジョンの「AOセプト」という、昔からあるケアセットで、過酸化水素で殺菌する。
使い方はとても簡単で、専用容器に消毒液(3% 過酸化水素水)を注いで6時間放置するだけ。
消毒用の専用容器には白金がついていて、過酸化水素を中和するので、消毒液は、中和完了後にはただの水になるという。
いわゆる過酸化水素を利用したコンタクトケアセットには、この「白金」がついたものと、錠剤などの薬剤で中和するタイプがある。
白金で中和ってどういう反応???と頭の中にクエスチョンがいっぱい飛んでいたのだけれど・・・
よーく考えてみれば対してむずかしいことじゃなかった。
むかーしむかし、小学校でこんなのをやった。
「二酸化マンガンに過酸化水素を注ぐと酸素が発生します。」
これを正確に書くとこうなる。
H2O2 → O2 + 2H+ + 2e-
H2O2 + 2H+ + 2e- →2 H2O
片々たして
2 H2O2 → 2 H2O + O2
3%程度の過酸化水素水はそのまま放置しておいても安定な物質であるためにほとんど分解しないが、二酸化マンガン(MnO2)が触媒となって、活性化エネルギーが下がるために分解してしまう。
というわけで、この消毒液を中和している反応も、単に
過酸化水素の「自己酸化還元反応」
を、利用して”水と酸素”に分解しているだけだった。
分かってしまうとあっけなくもあり、また新しい発見の喜びもあり、複雑な心境。
でも、目の前で科学な事をしてると思うと、ちょっとうれしかったり♪
by kanon_neko
| 2004-11-15 21:40
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